第2学年 社会科 学習指導案 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日 時:平成22年10月7日(木)
学 級:2年(男子 名女子 名計 名)
場 所:2年
指導者:古舘 裕之
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1 題材・単元名
歴史的分野「第5章 開国と近代日本の歩み」第3節 日清・日露戦争と近代産業
2 題材・単元について
(1)教材観
この単元は、現行の指導要領おいて、「(5) 近現代の日本と世界」の「ウ 急速に近代化を進めた我が国の国際的地位の向上と大陸との関係のあらましを,自由民権運動と大日本帝国憲法の制定,日清・日露戦争,条約改正を通して理解させる。」と「エ 政府の富国強兵・殖産興業政策の下で進展した我が国の近代産業が産業革命を経て発展したことと,その中での国民生活の変化について理解させる。また,この時期に近代文化が形成され,都市を中心に文化の大衆化が進んだことに気付かせる。」の2つが組み合わされて構成された大単元の後半部分の小単元である。
ウについて、現行の同解説には、「『日清戦争・日露戦争』については、大陸をめぐる当時の国際情勢を背景に、戦争に至るまでの我が国の動き、戦争のあらましと国内外の反応、韓国の植民地などを扱う。」とある。
新指導要領では、この単元の「内容の取扱い」に「ウの『日清・日露戦争』については、この頃の大陸との関係に着目させること。」とあり、より対外的な関係についてより踏み込む内容となっている。
この小単元の前半の大きなテーマは、日本の国際的地位向上と日本を取り巻く諸外国の情勢と戦争のあらまし、その背景となる日本の政治について理解させることになる。
そして、後半は、近代文化が形成されたことを、学問や科学技術で国際的な業績が生まれたことから理解させることになる。
(2)生徒観
略
(3)指導観
指導要領では、「〔歴史的分野〕1 目標」で「(4)
身近な地域の歴史や具体的な事象の学習を通して歴史に対する興味や関心を高め,様々な資料を活用して歴史的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。」とある。新旧のどちらの指導要領でも書かれている内容である。
解説においても、現行では、「歴史的事象を一面的にとらえるのではなく様々な角度から考察することが大切であることを示している。このことは「公平に判断する能力と態度を育成する上で欠くことのできないことである。」さらに、「「公正」に判断する」ことや「適切に表現すること」は、「様々な資料を活用」すること、『多角的・多面的に考察』することと密接にかかわりをもつものである。」と書かれている。
新指導要領では、「個々の生徒の学習活動をより活発で主体的なものとするために、文献や図絵、地図、統計など歴史学習にかかわる様々な性格の資料や、作業的・体験的な活動によって得られた幅広い資料の中から、必要な資料を選択して有効に活用すること、歴史的事象を一面的にとらえるのではなく、様々な角度から考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育成することが大切である」ことを示している。
しかしながら、実際の歴史の授業では、教科書や資料集を使用して、あらましを捉えることに時間の多くを使っているのが現状である。そこで、今回は、単元の中に、生徒の身近にある資料を使い、さらに多面的に歴史を捉えられうよう資料を工夫し、歴史的事象には、様々な見方が出来ることを授業にしたいと考える。
今回の授業では、事前に課題を提示し、関連する資料を持ち帰らせ、少し予習させた上で、課題を全体で考え、深めたいと考える。
3 単元の指導目標
【社会的事象への関心・意欲・態度】
・19世紀後半の国際関係に興味を持ち、関連づけながら日清・日露戦争の起こった理由を意欲的に追究している。
【社会的な思考・判断】
・日清・日露戦争における欧米諸国の利害関係や国内の様子、戦争の影響について、多面的・多角的に考察し、公正に判断している。
【資料活用の技能・表現】
・日清戦争から韓国併合までの日本の動きを年表にまとめ、説明している。
・鉄道の広がりや産業の発展を地図やグラフを使って調べ、まとめて説明している。
【社会的事象についての知識・理解】
・国際的な地位の向上と大陸との関係のあらましを、日清・日露戦争、条約改正を通して理解し、その知識を身につけている。
・近代文化の形成を、学問・教育・科学技術・芸術などの発展から理解し、その知識を身につけている。
4 単元指導計画(7時間扱い)
@ 欧米列強の侵略と条約
A 日清戦争
B 日露戦争@
C 日露戦争A…本時
D 韓国と中国
E 産業革命の進展
F 近代文化の形成
5 本時の指導
(1)目標
・日露戦争について,国際関係での日本の立場の面と,国内の反応の面から考察できる。(思考・判断)
・日本を取り巻く,当時の国際関係について,資料から考察し結果をまとめ,説明できる。(技能・表現)
(2)具体の評価規準
(3)本校の関わり(別紙「社会における付けたい力と学習の構想図」参照)
・「確かな学力を育む学習指導の在り方
〜基礎・基本を身につけさせるための授業の改善と家庭学習の工夫をとおして〜
・本校の社会科の研究テーマ「自分自身で考え,表現する力を育てる指導の研究〜積極的に考える場、活動づくり〜」
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生徒配布の資料…「ポーツマス条約」について
○資料T…「ポーツマス条約」について…インターネット上で、調べたものを紙媒体で配布。以下の検索の結果からまとめたもの(ここでは、著作権の関係上、載せません)。
goo辞典、日本大百科全書(小学館)Yahoo Japan 百科事典、デジタル大辞泉(http://kotobank.jp)、 百科事典マイペディア (http://kotobank.jp) 、 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
○資料U…小村寿太郎と交渉の「舞台裏」〜国立公文書館 アジア歴史資料センターからの資料(http://www.jacar.go.jp/special/p06/)をまとめたもの。このページは、時数も多く、そのまま、コピーできないので、加工し、紙媒体として配布。
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以下資料
*本校は、「東京書籍」の「新編新しい社会 歴史」を使用しています。
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構想図 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ワークシート |
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*追記 念のため、書いておきますが… この授業は、単に、日本が戦争に勝った負けたを論じるだけの授業ではありません。まして、日本が戦争に負けたのではないかを論じる授業ではありません。 日本は、当時、相当な外交努力をして、勝利を収めたということを様々な面から考察していく授業です。 一般に第一次世界大戦までの戦争というのは、局地戦的な戦争も多く、時に、勝負の勝ち負けは、数日で決したというものもあった時代です。 しかし、その後(第一次世界大戦後)の戦争は、総力戦となり、勝ち負けがはっきりするまでの体力の消耗戦となっていくのですが… そういったことをしっかり踏まえた上で、その後の時代にこの戦争をどう捉えてきたのか、冷静に考えていく必要から授業を構成しました。 さて、近年、日本を取り巻く世界情勢は、決して、気楽な状態ではなくなりました。 そんなときこそ、冷静に(マスメディアの偏った報道に頼らず)、自分の考えをもって、ニュースなどを見る目を育てる必要があるのではないでしょうか。 |
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